広報誌「いてふ」第９４号（３月号）
2025.02.28
(２０２５年３月発行)
防府胃腸病院 広報誌「いてふ」第94号 目次
◇上部内視鏡検査のスコープを細径化しました
消化器内科部長 藤原純子
ピロリ菌未感染例、除菌後の既感染例が増加したことに伴い、これまで日本人
に多かった胃癌は減少傾向にあります。
一方で胃内の環境変化により、食道胃接合部癌、胃底腺型胃癌などの特殊な胃
癌や十二指腸腫瘍が増加傾向にあり、これらを診断するためには内視鏡検査が不
可欠です。 2016年以降、国の指針で胃がん検診においても内視鏡検診が推奨さ
れ、より身近な検査となりました。しかし残念ながら、未だ決して楽な検査とは
いえないのが現状です。
そこで当院では、内視鏡検査の苦痛を軽減するため、細径スコープ（通常スコ
ープより細い）をすべて最新機種に更新し、細径スコープを用いた上部内視鏡検
査を開始しました。
従来、細径内視鏡はその画質が通常内視鏡に比べ劣るとされてきましたが、最
新機種（オリンパス社製GIF-1200N、富士フィルム社製EG-840N）ではハイビ
ジョン画像となり高画質化が実現しています。スコープ径が5.8㎜と非常に細＜、
挿入ルートは経口、経鼻のいずれかを選択いただ＜ことが可能です。スクリーニ
ング検査はすべて前述の最新細径スコープで施行できる環境が整い、患者さんに
はためらうことな＜検査を受けていただけます。もちろん、これまでどおりご希
望に応じて鎮静下の検査も可能です。個々の患者さんが受け入れやすい方法で検
査を受けていただき、健康づくりのお役に立てればと思っています。
◇「腸活コラム⓬」
食事と運動と睡眠 最後のキーワードは習慣化
今年度取り組んだ健康プロジェクトも終わりを迎えようとしています｡情報リテ
ラシーを高めて｢主観的健康感｣を高めていけたらと思います。最後のキーワード
は習慣化です。自分自身の最適バランスで習慣化を目指しましよう。
食事
朝食はぬかさず､三食を適量。真っ白より色のついた穀物に具沢山の味噌汁。
魚､豆､海藻､キノコをできれば毎日。自分に適量の根菜類と旬の緑黄色野菜。
時にはゴマをすって､よく噛んで｡それぞれの食材に素晴らしい効果の種が含まれ
ています。週1回からでも食習慣を整えていきましよう。口腔ケアも忘れずに！
食事療法中の方や術後の方は医師の指示に従ってください。
運動
１回たったの1～2分､１日３回のVILPA(日常生活で空いている時間に行える
活発な運動･身体活動)で死亡リスクの低減に効果がある!とても嬉しい研究報告
です｡死亡リスクは全原因およびがんで３８～４０％､心血管疾患で48～49％低
いとの報告です｡１日11回にもなると､さらにリスクが下がります。
●階段を使う ●少し早＜歩＜ ●おやすみ前のリラックスストレッチ
●お茶を入れる間の軽い筋トレ
最初は30秒からでも、自分にあったVILPAを見つけて習慣化しましょう！
運動療法中の方は、医師の指示に従ってください。
睡眠
良＜寝ることも大切です｡特に寝入りばなの90分をいかに良く寝るかによって､
認知症の発症にもかかわってくるようです。日中の太陽光と日没後の明るすぎな
い適度な室内照度、自分にあった寝具と室温そして夕方以降はカフェインレス。
スマホも夕方までにして、ぐっすり眠れる環境を整えて習慣化しましよう。
自分の心身に向けて五感を研ぎ澄ましましよう。主観的健康感は死亡リスクと
相関します。健康感UPのため､さあ､皆さん､大切なご自身の最適バランス発見の
ため､最初は小さな一歩から､楽しんで取り組むことが成功の秘訣です。
～腸内フローラ検査を健診センター（当院2階）で受付中です～
◇山口大学第三内科より内分泌代謝･糖尿病内科医師が４月着任します
当院では、消化器の専門病院として膵疾患の診断治療にも取り組んでまいりま
したが、新年度4月に山口大学第三内科の医師が着任します。
院内でも連携を深め、糖尿病をはじめとする膵疾患などを含めて早期診断・治
療に取り組んでまいります。
水曜：午前／午後
金曜：午後 詳細は確定次第、院内掲示にてご案内いたします
◇医療安全研修
～５Ｓの基本と医療安全～ 医療安全管理室 平井美香
5Sとは「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ（習慣）」のSから始まる5つの言
葉で表される活動です。
今年度2回目の医療安全研修では、「職場環境の改善、業務効率の向上、医療
事故防止」を目的に5S活動を行い、「当たり前のことが当たり前にできる職場
体質を作る」という研修を行いました。安全管理のため、職員一人ひとりが決め
られたルールを守り、行動できるよう習慣づけて行きたいと考えています。
〇3月の外来診療予定表 ☚クリック
「いてふ」の診療予定表またはホームページ内の外来医師担当表でご確認ください
〇Editorial Note 事務局長 栗林 左知
仲春の景色を待ち遠し＜感じていましたが、ようや＜３月の声を聴＜ことがで
きました。昨冬と比較して、今年は全国的に積雪も多＜冷え込み、まるで苦難を
乗り越えた達成感のような感覚を味わっています。啓塾を迎えると、さらに季節
は春分に向かって進みます。虫たちが戸を啓いて顔を出すに習い、わたくしたち
も戸を啓いて屋外に繰り出し、新鮮な空気を胸いっぱいいただきましょう。新年
度の始まりに向けて、皆様も令和6年度を振り返り、新たな試みを思い描いてみ
てはいかがでしょうか。
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一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院 所在地：山口県防府市駅南町１４－３３ （山口県の中央部 瀬戸内海に面した街） 診療科目： 消化器外科、消化器内科、内視鏡外科、内視鏡内科、疼痛緩和内科、胃腸外科、胃腸内科、食道内科、外科、内科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科 ※ 一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院は、山口県防府市（防府市役所前）にある消化器専門の病院です。 腹腔鏡下手術（単孔式）、腹水治療（KM-CART）、緩和ケア、内視鏡検査・治療（胃カメラ・大腸カメラ）、人間ドック、健康診断・ピロリ菌検査・頸動脈エコー検査） |
