広報誌「いてふ」第86号(7月号)
2024.06.28
(2024年7月発行)
防府胃腸病院 広報誌「いてふ」第86号 目次
◇がん検診を受けましょう 病院長 三 浦 修
国は、科学的に死亡率減少効果があると評価された5つのがん検診(胃がん、
肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん)を推奨していますが、山口県の各がん
検診受診率は、全国平均に比べても非常に低い現状です。
防府市でも、6月から胃がん検診が始まりました。ピロリ菌の感染率が年々低下
し、これに伴って胃がん発生率も低下していますが、今なお根治治療ができにく
い進行したがん患者さんも発見されることがあります。
県民、市民の皆様にとってのがん検診受診の意識を高めるためには、機会ある
たびに普及啓発活動が重要であり、検診ならびに精密検査を受けやすい環境づく
り、円滑で苦痛の少ない検査体制の構築が必須となります。
日頃の生活習慣を振り返ることでの一次予防を地道に行い、定期的な検診を受
けることによって、がんを含めた自身の健康管理にしっかりと意識を向けること
で、より充実した日々の生活を送ることができるのではないでしょうか。
◇「国民健康保険人間ドック」予約スタート! 健診事務室室長飯干雄一郎
当センターでは、年間6000件以上の健康診断を実施しています。実は、そ
の約1割を占めるのが「国民健康保険人間ドック」です。防府市の助成のもと、
疾病の早期発見・早期治療を目的に、身体検査、心臓、胃、肝臓、血液などの
検査を行い、健康管理に努めていただくものです。
また、人間ドック受診後の消化器系の結果判定が「要精密検査」「要治療」
の場合は、当院外来を受診し、精密検査を受け、早期発見・早期治療をお勧め
します。
◆ 対 象 者 市内在住の国民健康保険にご加入の30歳~74歳の人
◆ 受診期間 令和6年6月~令和7年3月
◆ 予約方法 窓口による事前予約
◇消防訓練で消火栓ホースから放水を体験
6月11日、今回は日中の外来診療を想定して、消防訓練を行いました。夜間と
違って全職種が初動を考えて行動しなければなりません。院内には自動通報装置
やスプリンクラー、消火栓、防火ドア、救助袋等の消防設備がありますが、職員
全員が知らなければ役割を発揮できません。今回は消火栓をメインの訓練です。
総務省統計で昨年の火災は1日100件、うち建物は55件となっています。いつ
発生するかではなく、いつ発生しても最小の被害でくい止められるよう訓練を重
ねています。
◇「腸活コラム❹」「ぐっすり」と「すっきり」の意外な関係!?
ぐっすり眠れていますか?健康プロジェクトのキーワードは、「食事」「運動」
「睡眠」です。
睡眠不足で腸内細菌叢が乱れ、免疫系の機能に重要な短鎖脂肪酸やαディフェ
ンシンなどの善玉物質が低下することが報告されています。また、腸内環境の乱
れたマウスの便を正常マウスに移植すると、睡眠の質が低下し、日中ウトウトの
時間が増加するそうです。
良質な睡眠にも腸内環境が重要です。食事から取り入れた「トリプトファン」
は、脳内で幸せホルモンの「セロトニン」となり、起床して光を感じた時間から
14時間経つとセロトニンは睡眠を司る「メラトニン」に変化を始めます。
体内のセロトニンの9割は腸内細菌との協働で作られ、蠕動運動を調整するなど
して働いていますが、残りは脳内でメラトニンと役割分担し、覚醒と睡眠を調整
しています。
この環境に重要なのが腸内細菌と腸と脳のトリプルネットワークです。生体の
24時間サイクルをコントロールしている影の立役者は腸内細菌ともいえるかもし
れません。ぐっすりとすっきりはお互いに強く結びついているようです。腹が立
つから頭に来るのかもしれません!メンタルでも最適バランスの発見にむけて、
ぐっすり眠りましょう。
◇接遇研修を開催 サービス向上委員会
今年度もサービス向上委員会主催で、6月6日に全職員対象に接遇研修を開催し
ました。今回は「信頼関係を築く言葉づかい」というテーマで、事例を交えながら
適切な言葉づかいについて学びました。言葉づかいは、繰り返し練習することによ
り身につきます。今後も職員全員で「おもてなし」の心を大切に、適切な言葉づか
いができる職員になれるよう努力していきたいと思います。
します。
〇7月の外来診療予定表 ☚クリック
「いてふ」の診療予定表またはホームページ内の外来医師担当でご確認ください
〇Editorial Note 事務局長 栗林 左知
7月は透き通るような高い空。その前に大雨と雷で締めくくられる梅雨の明け。古来、
人々は早く終わらせたくこの豪雨を「送り梅雨」と名付けたということです。最近は季
節の風物詩というより、人間の存在など全く気にしない自然のありようが人智を超越し
ていて恐ろしく感じるところです。そのような中でも、それぞれが少しずつでも人の役
に立つことで、防災・減災ネットワークを繋げていけるとよいですね。様々なことを想
定しながら生きていくことで、人間たちも存在意義を主張してみたいものです。
一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院 所在地:山口県防府市駅南町14-33 (山口県の中央部 瀬戸内海に面した街) 診療科目: 消化器外科、消化器内科、内視鏡外科、内視鏡内科、疼痛緩和内科、胃腸外科、胃腸内科、食道内科、外科、内科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科
※ 一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院は、山口県防府市(防府市役所前)にある消化器専門の病院です。 腹腔鏡下手術(単孔式)、腹水治療(KM-CART)、緩和ケア、内視鏡検査・治療(胃カメラ・大腸カメラ)、人間ドック、健康診断・ピロリ菌検査・頸動脈エコー検査) |