広報誌「いてふ」第90号(11月号)
2024.10.30
(2024年11月発行)
防府胃腸病院 広報誌「いてふ」第90号 目次
◇第130回健康公開講座を開催しました
演題 100歳まで健やかな胃腸を実現する医と食
~フレイルやガットフレイルをご存知ですか?~
去る9月28日、京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学講座教授
内藤裕二先生をお迎えして、第130回目の健康公開講座を開催しました。
コロナを経て、5年ぶりの開催です。
ご講演は、「すべての病気は腸から始まる(ヒポクラテス)」というフレーズで
始まり、人生100年時代の医と食の考え方を丁寧にわかりやす<、印象深くお
話しいただきました。テレビにも多数出演されている先生で、参加者も200
名を超えました。ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
会場では、当センターで作成した胃腸科レシピ「腸活」や広報誌掲載の「腸活コ
ラム」のリーフレットも配布し、好評をいただきました。
次回は、来年度に開催いたします。お楽しみに!
◇看護部研修「災害看護」を開催
今年度も、寺田英子先生(災害看護専門看護師)を講師に招き、「アクションカー
ドで防災・減災!」というテーマで災害看護研修を開催しました。当院は、災害訓
練時にアクションカード(災害時の行動指針)を用いた訓練を行っています。
今回の研修を通して、防災・減災活動の体制づくりや訓練の方法を学ぶことが
できました。いつ起こるかわからないからこそ「まさか!」ではな<「訓練通りに!」
を目指して、私たち一人ひとりの災害時のとるべき「対応力」を高めてまいります。
◇後期の新入職員研修を行いました
今年4月の前期研修以降に入職した職員を対象として新入職員研修を行いました。
すでに現場で活躍している中で、接遇や感染対策、医療安全などを中心に実践を交
えながらの講義を受け、振り返りの機会になりました。
研修後半は、全職員対象に三浦病院長から当院の58年間の歴史、理念や基本方針、
これからの医療と当院の在り方などを伝え、「One TEAMで地域の医療を支える
ための一職員として、知っておいてほしい」と話しました。
続いて、栗林病院長補佐が、組織とはどういうものか、同じビジョンをもって、同
じ方向へ進み、同じ規準で動<ことの大切さ、One TEAMでのチーム医療をめ
ざす上で必要なことなど、倫理を踏まえての講義を行いました。
最初は緊張していた新入職員も、講義が進むにつれてコミュニケーションを取り合
うようになりました。これからOne TEAMとなって、ともにがんばってまいりま
す。
◇腸活コラム❽
運動と腸内細菌 ニワトリが先か?タマゴが先か?
「適度な運動は体にいいことがある」。皆様が知りえていることではありますが、
「座りっぱなし」が世界の死因第4位と報告されているように、実際は「運動は面倒だ」
「鬱陶しい」などと感じる人もいます。正反対に、マラソンを走り切る人、挫折すること
な<ジムに通い続ける人などもいて、世の中はここでも多様性にあふれています。
「Nature」誌に掲載された論文によると、運動を好むマウスの腸内には、運動意欲
を高める物質を生み出す腸内細菌が多いそうです。ヒトでも、運動後は脳内のドーパミ
ンが急増し、意欲や集中力が高まるといわれています。運動を好む「ハイランナー」系統
のマウスの腸内細菌を抗生物質で激減させると、運動量も21%減少し、抗生物質の投与
を中止してから、12日の観察期間中は運動量は元に戻りませんでした。さまざまな研
究の結果、2種類の細菌、ユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)と
コプロコッカス・ユウタクタス(Coprococcus eutactus)が産生する「脂肪酸アミド」と
いう代謝産物によって運動意欲が高まるということがわかりました。
ヒトでも腸内細菌が整うと、運動意欲が高まるかもしれません。運動すれば、腸内細
菌が整います。ニワトリから始めるか、タマゴから始めるか、その両方か?皆様も試し
てみませんか?
◇新入職員の紹介 「これからよろしくお願いします」
〇11月の外来診療予定表 ☚クリック
「いてふ」の診療予定表またはホームページ内の外来医師担当でご確認ください
〇Editorial Note 事務局長 栗林 左知
ようやく朝晩肌寒い日々、晩秋が廻ってきました。秋風に吹かれて人恋しくなりはじ
める季節です。この時季はふと暑い夏を懐かしく思うのが常でしたが、今年はあまりの
酷暑に当分懐かしくは思い出せないことでしょう。 11月3日、文化の日は明治天皇のお
誕生日で以前は天長節と呼ばれていました。老子の言葉、「天長地久」からとられている
そうですが、近年は天も地も長<久しくなく、災害無<過ごすことができること、そし
て「当たり前」がとても貴重に感じられます。日々あらためて感謝し災害に備えましょう。
一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院 所在地:山口県防府市駅南町14-33 (山口県の中央部 瀬戸内海に面した街) 診療科目: 消化器外科、消化器内科、内視鏡外科、内視鏡内科、疼痛緩和内科、胃腸外科、胃腸内科、食道内科、外科、内科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科
※ 一般財団法人 防府消化器病センター 防府胃腸病院は、山口県防府市(防府市役所前)にある消化器専門の病院です。 腹腔鏡下手術(単孔式)、腹水治療(KM-CART)、緩和ケア、内視鏡検査・治療(胃カメラ・大腸カメラ)、人間ドック、健康診断・ピロリ菌検査・頸動脈エコー検査) |